針匠崔福姫先生のはじめてのポジャギ作品展は2002目1月に神戸のギャラリーにて開催いたしました。
そのとき、73年間の人生で初めてソウルから旅をしたという崔先生に、ポジャギの作り方のデモンストレーションをしていただきました。
これが予想外の大反響で、“作り方を見るだけではなく、ぜひ教えて欲しい”という声が多く寄せられました。「こんなにたくさんの人がポジャギに興味を持って見てくれるとは……」と崔先生もびっくりされ、次回の作品展での講習会を快諾してくださいました。
そして2003年6月24日-7月6日に、奈良倶楽部で、崔先生のポジャギのワークショップを主体にした美しい手仕事を紹介する作品展が、開かれることになったのです。
奈良倶楽部での作品展開催にあたっては、崔先生のポジャギやヌビの美しい針仕事を間近で見ていただけるように、また、日本のインテリアに合う色やデザインを中心にディスプレイしました。
さらに、奈良倶楽部の客室の一室を「韓国ルーム」に仕上げるために、すべて手縫いのヌビ(刺し子)のベットカバーをメインに、インテリアのテーマとして“おしゃれな韓国”を紹介したいと考えました。
ヌビのベットカバーは、全長2.5mの長さを真っ直ぐに横幅2mまで一畝の幅5mm間隔で一目一目丁寧に刺し子していく、気の遠くなるような手仕事ですが、美しく正確に揃った畝、細かい細かい針目(ほとんどの方はミシンで縫っていると思われたようです)、何度見ても触っても出るのは感嘆のため息ばかりという素晴らしさです。
部屋のカーテンには真っ白のモシポジャギ、間仕切りはチョガッポののれん、クッションは草木染めで作ってもらいました。
自分の好みから白一色のものや淡い色使いのものが多く、またポジャギ本来の使い方とは随分違った飾り方をしていたかもしれませんが、“私が使うならこんな風に……”という気持ちを大切にしました。
2004年初夏
小さなホテル奈良倶楽部 谷 規佐子
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