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奈良倶楽部のポジャギ・コレクション

奈良倶楽部では韓国のポジャギをインテリアに取り入れています。

館内のポジャギはすべて、韓国の針匠・崔福姫先生の作られたものです。

韓国の美しい手仕事に魅せられて何度か韓国を訪問し、ご縁があって奈良倶楽部にて崔先生の作品展を開催することもできました。(2003年6月に開催)

ここでは2003年に開催致しました崔先生の作品展『韓国の美しい手仕事展』の様子と、今、奈良倶楽部でコレクションしていますポジャギの写真をご紹介させていただきます。




ポジャギ

ポジャギは韓国固有の生活用品で、大切なものを包んだり、食べ物を覆ったり、贈り物の包装として使われたりしました。ポジャギの「ポッ(物を包む意味)」は「福(韓国語ではポッ)」と同じ音であることから”福を包む”という意味にも通じ生活の中で重宝されてきました。
ポジャギの使用範囲は、食卓用、布団用、衣服用、贈り物用などです。韓国のポジャギの注目すべき点は、日ごろ捨てずにとっておいた端切れを使って、ほとんど芸術品に近い生活小物を作ったというところです。
四季の移り変わりがはっきりしている韓国は季節の変化に従った織物が発達しています。夏には風通しがよく涼しい苧麻(チョマ)や麻の布を好んで使い、春秋は紫薇紗(チャミサ…光沢と張りのある絹織物の一種)、甲紗(カプサ…紗の中で上等の物)、塾庫紗(スクコサ…練り糸で織った高級紗の一種)などのうすぎぬ類、冬には洋緞(ヤンダン…織り模様が入った絹織物)、繻子(シュス)、明袖(ミョンジュ…絹織物の中で地模様のないもの)等が使われました。
チョガッポと呼ばれるパッチワーク様のポジャギは、このような多様な織物を用いて作られたため、種類や模様が実に多様です。特に苧麻(チョマ)や麻を素材とした物は縫い目をきれいに揃えたケッキパヌジルという技法を用いて裏表がないように作られています。

ポジャギは、古くは10世紀の高麗の時代から王朝貴族たちに使われ、やがて庶民に広がりました。最も盛んに作られたのは、18世紀頃でしたが、20世紀に入っても日用品として使われました。近年針仕事をする女性が少なくなってきたことから、ポジャギを作る家庭は余り見られなくなりました。

しかし、最近、再びポジャギの魅力が見直されてきました。 ごく普通の女性たちの手先から生まれたチョガッポの美しさは、ときには西洋画家の絵画から感じるような洗練さで、また、ときには田舎のおばあちゃんの素朴な安らぎで、私たちに穏やかな感動を与えてくれます。





ヌビ
ポジャギ

韓国のヌビは、はるか昔から使われてきた針技法として縫い目を露出させる繊細な技法がその特徴です。

ヌビの種類と方法には様々なものがあります。縫い方には“串縫いヌビ”と“返し縫いヌビ”があり、串縫いで作ったヌビは柔らかく保温効果が良いのが特徴です。ミシンのように一針ごとに縫い戻して縫われる返し縫いヌビは、仕立線が丈夫という長所があります。

韓国のヌビの文様および技法の変化は非常に単純で、縫い目の間隔を広くしたり狭くしたりして変化を与えるやり方をとっています。縫い目の間隔によって、チャン(小)ヌビ0.5cm、チュン(中)ヌビ2.5cm前後、トゥムヌビ5cm前後と区分されています。中に入れる綿もその厚さが多様で、綿を厚く入れるほどヌビの間隔は広くなります。

ヌビは間隔が狭くなるほど、細かく縫うほど上等といわれていますが、それは縫うときに入っていく糸の数がそのまま寿命と結びつくという風俗があったからです。

韓国では、子供が産まれて百日目を迎えるとヌビの百日服を作って着せる風習がありますが、それには、刺し子を施された長い糸のように子供が長生きしてほしいという願いが込められているからです。

ヌビには、織物の補強と防寒・保温という目的の他に、このように寿命長寿を祈る象徴として、またヌビの刺し子の窪みが畝と畝との間に似ていることから豊鐃さを象徴するものとして捉えられているのです。

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